花と、空と、リモンチェッロ/ Flower, Sky, and Limoncello

平和で美しく、ご機嫌な地球のために。For Peace, Beauty, and Joy on the Earth.

幸せってなんだっけ?

♪幸せってなんだっけ?なんだっけ?♪

♪ポン酢醤油があるウチさ♪

 

その昔のCMで、明石家さんまが調子良く歌っていた。CM提供者としたらポン酢醤油を買ってもらえば良いだけだが、クリエイターのメッセージはポン酢醤油を買えば幸せになれるというほど単純ではなかったろう。

寒い外から帰った男性が、家に帰って家族と温かい鍋を囲むシーンから想像される幸せ。仕事の緊張から解放されて、ホッとする瞬間に幸せを感じることは誰しも経験することであろう。さらに深読みすれば、それは家族のある幸せであり、帰る家のある幸せである。家族もいろいろあるが、この家庭は一緒に楽しく食事ができる関係が保たれている。家はそれなりに綺麗で広い。その裏付けとなる収入と、そのための仕事があることの幸せをも暗示しているのかもしれない。

かつてはそのように「絵に描いたような」幸せがあった。あるいはあるかのような映画やドラマが多かった。しかし多様性の社会ということをよくよく考えると、ステレオタイプな外見よりも中身が大切ということになる。では幸せの中身ってなんだろうか。それは個人の幸せが何かという根元的哲学的問題に行き着く。

古代ギリシアの哲学者アリストテレスは、幸福とは快楽を得ることだけではなく、政治を実践し、または人間の霊魂の固有の形相である理性を発展させることであると言った。2,300年以上前のことだ。釈迦はそのさらに300年前、紀元前6世紀頃に、無常の世の煩悩を捨てて自分と法を頼りに生きよ、と唱えた。有史以来多くの哲学や宗教を中心に語られた幸せをここでまとめることは出来ないが、僕が知る限りでは、釈迦、エピクテトスあたりがしっくりくる。

 

釈迦:

「身体について…感覚について…心について…諸法について…(それらを)観察し(anupassī)、熱心につとめ(ātāpī)、明確に理解し(sampajāno)、よく気をつけていて(satimā)、世界における欲と憂いを捨て去るべきである。このようにして、自らを灯明とし、自らをより処として、他のものをより処とせず、法を灯明とし、法をより処として、他のものをより処とせずにいるのである」

 

エピクテトス:

「己の力の及ぶものと及ばないものを識別し、自己抑制をもって生きること」

 

結局自分の目で見て聞いて考えて、原理原則と照らし合わせて、納得のいくことで自分のできることを精一杯やる。その繰り返しが幸せってことだと思う。ポン酢醤油があればもっと幸せかもしれないが(^^)