花と、空と、リモンチェッロ/ Flower, Sky, and Limoncello

平和で美しく、ご機嫌な地球のために。For Peace, Beauty, and Joy on the Earth.

ジャム先か、クリームか? Jam or Cream First?

ジャムが先か、クリームか、それが問題だ!

英国人が大好きなスコーンの食べ方問題「ジャム・クリーム論争」が、遂にニューヨークタイムス(NYT)の記事になった。NYTは3/21版で、英国のナショナルトラスト(文化遺産)のうちスコーンが食べられる244か所全てを10年かけて食べ歩いた女性が英国の全国ニュースになったと報じた。その中でスコーンが英国人にとってどれほど重要かを示すエピソードとして、ジャム・クリーム論争に言及している。

好きだなぁ、どうでもいい問題を真剣に白黒つけようとするブリティッシュ魂。200km超ウルトラマラソンは、この執着心無くしては生まれなかったとさえ思う。
古代ギリシアの歴史家ヘロドトスは「俊足の伝令がアテネからスパルタへの約246kmを2日間で走った」というペルシア戦争の逸話を名著「歴史」に記した。しかし実際そんなことできるのか?そんな議論が歴史好きの英国人の間で繰り返されていたのだろう。そしてついには英国空軍の健脚自慢5人による実地検証に話が発展する。1982年のことである。なんで空軍?というのも面白いけど、ともあれ結果3人が34時間半~39時間で完走したことで、逸話が史実に基づくことが証明された(*) 。そして250㎞のウルトラフットレース「スパルタスロン」が翌年から始まる。

 

(*)246km走った伝令さん、実はマラトンの勝利をアテネに伝えるため42.195km走って息絶えた有名人でもある。駄菓子菓子、ヘロドトスはそのことには「歴史」で触れていない。つまりマラソンの起源こそ後世の作り話だった可能性が高い。

 

スコーンに話を戻すと、ニュースになった「時の人」Sarah Merkerさん自身はジャムが先かクリームかを明らかにしていないが、彼女が書いた本"The National Trust Book of Scones"の表紙の挿絵は「ジャム先」だった。クリーム(クロテッド・クリーム)の2大産地の一つデヴォンではスコーンの上にクリームを先に塗り、その上にジャムを塗って食べるのが伝統的であるが、もう一方のコーンウォールでは対照的に、ジャムを最初に塗った後クリームを塗る。

騙されたと思って実際に食べ比べると、明らかに味が違う(ように思えた)。ちなみに僕はジャム先派です。