花と、空と、リモンチェッロ/ Flower, Sky, and Limoncello

平和で美しく、ご機嫌な地球のために。For Peace, Beauty, and Joy on the Earth.

第16回日本横断 川の道フットレース 2021 (503km)の振り返り(序章)

2021年4月30日から5月5日まで、川の道フットレースに参加してきた。コロナ禍の影響で例年より参加者は減ったものの、メインの503km(いわゆるフル)に参加する136名(最終的に94名となる)の中には最高78歳の参加者(男性)がいる。また初めてフルに挑戦する69歳の女性がいる。長野県小諸をスタートする251km(いわゆるハーフ)には70名(最終50名)の30代から74歳までの男女が参加する。

人間は走るために生まれてきたような動物で、他の動物よりも長い距離を長い時間走ることができるゆえに、多くの獲物を食料とし繁栄することができた。しかも走る能力が、一旦20代でピークを迎えて後に衰えていくものの、19歳時の能力は65歳まで維持されると、以前紹介したクリストファー・マクドゥーガル著「Born to Run」に書かれているが、その証左を見る思いだ。

「川の道」とは、甲武信ヶ岳を源流とする2つの川、荒川と千曲川新潟県に入って信濃川と名前を変える)を意味し、本来は東京湾の荒川河口(葛西臨海公園)をスタートして川の道に沿って走り、日本海を目指す。しかしコロナ対策の緊急事態宣言が東京都に発令されたことで急遽埼玉県は川越をスタートすることになった。距離も当初の513kmから10km減じられた。それでも500kmを越える距離を人間の脚で進むことは並大抵ではない。3箇所のレスト・ポイント以外は基本的に屋外を進む5日半の旅、それが「川の道フットレース」だ。

完走するポイントは3つ。脚が前に進むこと、進むエネルギーを十分に取る(食べる)こと、行動を維持するために適切に休む(寝る)こと、だ。500km超を進むのだから、当然に疲労はあるが、それに耐えて動き、食べ、休むサイクルをうまく回せたものが完走できる。それに地図読み、携行品選定、危機対応能力といったスキルが必要になってくる。これまでハーフ1回、フル2回の経験を踏まえて、一番警戒すべきは脚が止まった時に何をするかだと感じる。別の言い方をすれば、足を止めた時は食べるか休むかに徹し、それ以外の時間の過ごし方(ボーッと立ち尽くしたり、スマホに時間を費やしたり)を最小化する事だ。また脚を止めるべき時の判断も大事だ。例えば眠くて蛇行している状況で走り続けてもスピードは上がらないし、コースロストのリスクは高まるし、何しろ危険だ。その場合は思い切って止まり、15分でも眠ることがベターと言うこともある。

基本的に500km走り切る体力があることを前提として、状況判断と対応能力を駆使して、60歳、70歳と年齢を重ねても完走する。それがこの超長距離レースの醍醐味であろう。手元にはまだ正式なデータがないが、今回、フルに関して言えば94人中71人が完走(完走率76%)。上記で言及した69歳の女性は見事に完走した。僕は前回2019年にワラーチとシューズ半々で完走したが、今回はワラーチだけで2度目の完走を目指す。