花と、空と、リモンチェッロ/ Flower, Sky, and Limoncello

平和で美しく、ご機嫌な地球のために。For Peace, Beauty, and Joy on the Earth.

いくつもの月曜日 - Almost Every Monday

毎週月曜日の朝7時に配信されるLobsterr Letter というニュースレターを今年の初め頃から読んでいる。

その冒頭にOutlookと題されたエッセイがあるのだが、これが一番の楽しみだ。

 

ニュースレターというメディアを作ろうと発起人の佐々木康裕さんが声をかけてチームとなった三人が交代でエッセイを綴る。その内容はパンデミックやBlack Lives Matterなどの時事問題。「ランニングや料理などのコロナ禍に獲得した新しい習慣について。三人が触れた数々の本や映画について。変わりゆくテクノロジーやブランドのあり方について。そしてAOC(米国下院議員)からミーガン・ラピノー(米国女子サッカー選手)、ジャシンダ・アーダーン(ニュージーランド首相)にアマンダ・ゴーマン(詩人)まで、現代を象徴するアイコンについて。」実に多様で、知的刺激にあふれている。

 

創刊から2年以上経過し、100本を越えたエッセイから50本を選んで、このほど一冊の本にした。その題名が「いくつもの月曜日 - Almost Every Monday」である。

ニュースレターにリンクを上手に貼って、文章で触れた情報源にすぐにアクセス出来る様に作り上げる彼らは、本についても同じ情熱を注いで、デザインから製本まで良いチームで、完成度高く仕上げた。僕は初版本を買ったが、一つ一つ三人が自らパッキングして手書きのメッセージを添えて送るという手のこみ様に驚いた。エッセイに滲み出ている彼らの丁寧さをそのまま手渡された様な感じがした。

 

僕がこのブログを書き始める動機には、Lobsterrから受けた知的刺激も大いに影響した。世界に広くアンテナを張って、世の中をより良くする知恵や行動を咀嚼して、自分の考え方の参考にしながら発信したいと思った。

 

デザイナーの原研哉さんがこの本に寄稿していて、その中で次の様に述べている。

 

「本業ではない活動の中にこそ、実は未来が眠っている。すぐには役立ちそうにはないけれども、なぜか身を投じてしまっている営みのなかに、自分の活動の本質が潜んでいる。」

 

このブログも「なぜか身を投じてしまっている営み」に過ぎないが、それでも「自分の活動の本質が潜んでいる」かもしれない。

 

佐々木さんが創刊を思い立ちチーム作りを始めてから約3年で、ニュースレターからポッドキャストが生まれ、こうして本になった。僕のランニングもフルマラソン挑戦を決意して3年で500km超のウルトラジャーニーを完走するまでになった。石の上にも3年というが、3年後の楽しみもあるのかと思いながら、書く習慣を続けていきたい。