花と、空と、リモンチェッロ/ Flower, Sky, and Limoncello

平和で美しく、ご機嫌な地球のために。For Peace, Beauty, and Joy on the Earth.

A writer writes, a runner runs... 書く人は書く、走る人は走る...

心に浮かぶことを丁寧に言葉にして伝えたい。

人と共感したい。

だから、書く事にした。

 

ジャーナリスト(斉藤茂男、本多勝一鎌田慧など)に憧れた時もある。J・F・ケネディやM・L・キングJrの演説に涙を流した。目の前に起きている事実を、歴史の文脈で捉えて、今ここで選べる選択肢や自分の意見を示すことができたら、なんと素晴らしい事か。論理的・科学的に分析し、どう考えるか、何が学べるか、次はどうしたいのか、を発信する。そんな書き手でありたい。

 

今ここで「書く決意」をしたのには、5年前に始めたランニングの経験が伏線となっている。55歳の誕生日を前に「マラソン年内完走」という目標を立てて、3ヶ月で達成した。続けてマラソン(42.195km)以上の距離を走るウルトラマラソンに挑戦し、3年目に東京から新潟まで520kmを走る「川の道フットレース」を完走した。それまでの生涯最長距離は高校の全校行事で走った17kmだったから、1レースあたりの距離を3年間で30倍に伸ばしたことになる。走る経験どころか運動経験ゼロの典型的「メタボ」中年が、特に指導者もなく、サラリーマンしながら、自分でも想像しなかった「インパクトのある変身」ができた。

 

何故できたのか、振り返って見るとポイントは3つある。

第1に自分を信じたこと。1年ほどジョギングを続け、なんとか10kmは走れるようにはなっていたものの、3ヶ月でフルマラソンに挑戦することには唐突感があり、衝動的とのそしりは免れない。ただその時の自分には、「なんとしても達成したい」という心の底からの願望があった。微塵の不安もなく、できると信じていた。

 

第2に日付の入った具体的行動目標を設定したこと。決意したその日に12月のマラソン大会に申し込み、更に11月は30km、10月に20kmと、中間目標のレースにもエントリーした。手元にあったマラソン本を参考にして日々の練習計画も立てた。最初のレース(20km)まであと2週間ちょっとだったし、仕事で海外含め出張も月一回はあったので、スケジュール化するしか無かった。時間がない、ではなく、時間を生み出した。

 

そして第3にひたすら目標達成に集中したこと。客観的・常識的に見て、経験も時間も知識も十分とは言えない。できない理由満載だ。しかしとにかく、どうしたら完走できるかに集中した。いや、どういうわけか不思議と集中出来た。僕はその時、いわゆる「ゾーンに入って」いたのかも知れない。不安要素があっても、どうしようと心配せず、どうしたらそれを乗り越えられるかだけを考えることができた。

 

走っている時は、本番でも練習でも、今何ができるか、その中でどれを選択するか、その時その場で決めていくしかない。自分の心をガイドにして決断し、集中する。結果は明確に現れる。「その時」の選択肢を増やすために準備をする。考えて計画し、時間を作って実行し、結果を検証して次の計画に生かす。その連続だ。まさに継続は力なり、いや継続のみが力となる。

 

しっかり準備して本番に臨んでも、目標達成できないこともある。風雨、寒暖などの自然条件や道路状況、給水・トイレといった当てにしていたサポートが受けられないなど、自分でコントロールできないことが多い。転んだりぶつかったり、あるいは冷えたりして思わぬ体調不良になることだってある。そうしたことを乗り越えて、あるいは幸運に恵まれて、完走出来ることは、奇跡にも思える。また完走できなくて悔しい時も、挑戦した自分への満足感が湧く。結果に関わらず、支えてくれた人々に感謝し、頑張った自分を慰労する。幸せな瞬間だ。

 

他でもない自分の時間を使って、自分のやりたいことをやって、得られる幸福感・充実感は何ものにも代え難い。だから書く。今、書く。

 

意思する、挑戦する、結果に学ぶ、感謝する。ニコニコ、のんびり、丁寧に、このサイクルを回して行きたいと思う。