花と、空と、リモンチェッロ/ Flower, Sky, and Limoncello

平和で美しく、ご機嫌な地球のために。For Peace, Beauty, and Joy on the Earth.

人生を美しく - Life can be beautiful

1950年代後半に活躍した女性ジャズ・シンガー、ビヴァリー・ケニーの "Life can be beautiful " を久しぶりに、しかも先週立て続けに2度も、聴いた。初回は天井の高いレトロな雰囲気のお洒落なカフェで。もう一回は物置を改造したような素朴な手作り餃子の店で。軽快なジョー・ベンジャミンのベースギターで始まるビヴァリーの歌はこんな風に続く:

 

Life can be beautiful, how do I know

人生は美しくなる、どうして分かるかって

Somebody wonderful just told me so

それは素敵な人が、そう教えてくれたから

Life can be summertime when it's really fall

人生は夏のように輝く、本当の季節は秋だったとしても、

Love can come any time, any time at all

愛は時を選ばず、全く突然やってきて

Nights can be heavenly, take nights like this

夜は天国に変わる、そんな夜を逃さないで

What makes them heavenly? Only your kiss

何が天国にさせるって?あなたのキスだけがそうさせるの

Through all these many years guess I always knew

この何年もの間、私がいつも感じてたことは何だと思う

That life could be beautiful with you.

それは人生があなたと一緒なら美しくなるってことよ。

 

歌詞の邦訳が見つからなかったので僕の拙い日本語訳を添えたが、ビヴァリーはこの歌を "Songs for Playboys" というアルバムに入れて1958年にリリースした。「甘く舌ったらずなヴォーカルがセクシーな、遊び心一杯の」歌ばかりが収められている。

"Life can be beautiful" は、もともと同名のTVドラマのために作られた曲で、そのドラマは1938年(戦前!)から16年も続いた人気ドラマというから恐れ入る。昼ドラを 英語でソープオペラ(Soap Opera) というが、本当にIvory Soap(アイヴォリー石鹸)のプロクター&ギャンブル社がスポンサーだった。

 

1947年のドラマ "Smash-up, The story of a woman (邦題も「スマッシュアップ」、敢えて訳せば、「破滅ーひとりの女の物語」)" では、浮気してしまった歌手が、傷ついて精神を病んだ元スター歌手の妻と「やり直す」決意をこめてラジオでこの歌を歌う。ビヴァリーは、「あなたと一緒なら幸せ〜」みたいなご機嫌ソングを元気よく歌ったが、ここでは「君といつまでも」のような感動のラブソングになる。夫役のリー・ボウマンがしっとりとメロウに歌い上げていた。

 

「人生は、心の持ち方次第で、薔薇色にも灰色にもなる。」というような意味で、いろいろな文脈につかわれる歌であるが、似たような言葉にチャーリー・チャップリンの "Life can be wonderful" がある:

 

"Life can be wonderful if you’re not afraid of it. All it takes is courage, imagination… and a little dough." - Charlie Chaplin

「人生は素晴らしいものなんだ。恐れさえしなければね。勇気と想像力、そして少しのお金、それだけあれば十分さ。」チャーリー・チャップリン、映画『ライムライト』より

 

ふとしたことで聴いた曲から、勇気と想像力が人生には必要だということをあらためて教わった。

一度きりの人生、恐れずに堂々と生きていこう。

その人生は美しく、素晴らしいものにできる…あなたと一緒なら、ね🤗